ボビー

1968年6月5日。アメリカ国民の希望、ロバート･ケネディ＝“ボビー”が凶弾に倒れる16時間前･･･。現場のL.A.アンバサダー･ホテルには、様々な人種、年齢、階層、境遇に属する22人がいた。悩みを抱える者、秘密を持つ物、疑惑を抱く者、怒りを覚える者、愛が冷めた者、 愛に気付いた者、選挙の行方を気にする者…。 ＜ロビーにて＞ 元ドアマンのジョン･ケイシーは同僚だったネルソンとホテルのロビーでチェスを楽しんでいる。このホテルに訪れた往年のスターたちの名前をあげ思いでを語る。そこに、ケネディ上院議員が到着。ジョンはようこそと声をかけた。 ＜チャペルにて＞ ダイアンはその夜にジューンブライドになる。ボビーが訪れるこのホテルのチャペルで結婚するのだ。ベトナム戦争に行かせないために、結婚という既成事実をつくって徴兵の免除を図るつもりである。深夜、ボビーの姿を二人は目の当たりにして笑顔を浮かべる。 ＜美容室にて＞ ミリアムはホテルの美容師、夫のポールはホテルの支配人。だが、ポールは妻の目を盗んで電話交換手のアンジェラと個室で不倫を楽しんでいる。ミリアムは、美容室にやってきた花嫁や歌手のヴァージニアの悩みの聞き役として、親身になってアドバイスを送っている。