バベル

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モロッコの険しい山間の村で暮らすアブドゥラは、知り合からライフルを買い、2人の息子兄アフメッドと弟ユセフに渡された。彼らは生活の糧であるヤギを撃つ。試し撃ちが全く当たらない兄に代わって、ユセフは山道を走るバスを狙い、一発の銃弾を放った。撃たれたのは、アメリカ人夫婦の妻スーザン。この夫妻は、赤ん坊を亡くし悲しみに暮れていたが、なんとかこの旅で、夫婦の絆を取り戻したいと思っていた矢先だった。リチャードは、スーザンを抱えて医者がいる村へと走る。一方、アメリカに残されたリチャードとスーザンの子供たちは、メキシコ人の乳母アメリアに連れられ、メキシコへ向かう。アメリアの息子の結婚式に出るためで、子供達を知らない人に預けるよりは連れて行く方が安全だと考えたのだ。スーザンを撃ったライフルの書類上の所有者は、日本人の会社員のヤスジローと判明。最近、彼の妻は自殺し、高校生の娘チエコとの溝が深まっていた。聾唖(ろうあ)であるチエコは母親の喪失によるショックから立ち直れず、何かにつけて父親に反抗するのだった。アメリアは、結婚式が終わり、再びサンチャゴの運転で子供たちと国境へ向かう。だが、飲酒運転がバレたサンチャゴは国境を突破、アメリアと子供たちを砂漠に置き去りにして逃走してしまう。灼熱の太陽に意識が薄れていく子供たち。政治的な問題で救助はいつになっても現れなす、バスにも置き去りにされ、怒りと絶望の涙を流すリチャード。そして衰弱していくスーザンの姿が…。 2006年のカンヌ国際映画祭でアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥが監督賞を受賞。

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