旅するジーンズと16歳の夏

ブリジット、リーナ、ティビー、カルメンの4人は、彼女の母親たちがマタニティ教室で知り合ったことから、生まれる前より一緒に過ごしている。生まれてからもすっと一緒の親友である。16才の夏、彼女達は初めて別々に過ごすことになった。リーナは祖父母の住むギリシャへ。カルメンは別れて暮らす父親のもとへ、ブリジットはメキシコでのサッカー・キャンプに参加。夏休みの計画がないティビーは、地元のスーパーでバイトをしながら、人生の惨めさを綴ったドキュメンタリー映画を製作することにした。それぞれの夏休みに向けて出発する前日、４人が古着屋で見つけた一本のジーンズ。それは、性格も違えば体型も違う四人全員にぴったり合う不思議なジーンズだった。離れ離れの夏の間、彼女たちは４人で一本のジーンズを順番にはくことに決め、それぞれの夏へと旅立った。ところが、ギリシャ・サントリーニ島に行ったリーナからはジーンズのせいで溺れかけたという報告。カルメンからは、父親が再婚したため、夏を父と二人で過ごす夢が壊れた。ジーンズの効果は何もなかったという。メキシコでは、ブリジットがサッカーのコーチとの恋を手に入れたが、空しいという。旅するジーンズが見届けるのは、リーナに訪れる苦悩、ティビーが受け止めなければならない悲しみ、カルメンの怒り、そしてブリジットの心の闇。彼女たちの夏は、まだ始まったばかりなのだ。