ひめごと

美しいからだを持つふたりの若い女性サンドリーヌとナタリー。性の領域のちょっとした侵犯が強烈な快楽を生み、それに依存する者たちに対する恐るべき武器になることを知ったふたりは、そのからだで世の中をひざまずかせたい、と決意する。そのために彼女たちはありとあらゆることをする。ただひとつ恋に落ちることを禁じて。しかし、ある男に近づいた時、ふたりのシナリオは破滅へと向かい始める……。
公開日
2003年11月1日(土)
監督
ジャン=クロード・ブリソー
脚本
ジャン=クロード・ブリソー
撮影
ウィルフリッド・サンペ
音楽
ジュリアン・チヴァンジェ
出演
サブルナ・セヴク コラリー・ルヴェル ロジェ・ミルモン ファブリス・ドゥヴィル ブランディーヌ・ベリ オリヴィエ・ソレ
製作年
2002
製作国
原題
CHOSES SECRETES
上映時間
115
INTRODUCTION
フランス映画界の異才ジャン=クロード・ブリソーの危険な最新作「ひめごと」は、映画誌カイエ・デュ・シネマでベスト1を獲得した。日本ではR-18指定の公開だ。主人公は、美しいからだを持つ、ふたりの若い女性。ふたりは、そのからだで、世の中をひざまずかせたいと決意する。ただひとつ恋に落ちることを禁じて、彼女たちはありとあらゆることをするのだ。しかし、ある男に近づいた時、ふたりのシナリオは破滅へと向かい始める。ジャン=クロード・ブリソーが、すべての女性たちに贈る、美しくも残酷な「性」の寓話である。主演のサンドリーヌとナタリーを演じるサブリナ・セヴクとコラリー・ルヴェルは、ブリソー監督によって大抜てきされた若手女優。ベテラン男優ロジェ・ミルモンがドラクロワ役で脇を固めている。編集は、『緑の光線』はじめエリック・ロメール作品で知られる名手マリア=ルイーザ・ガルシア。ジャン=クロード・ブリソーは、フランスの名匠エリック・ロメールに発掘され、80年代初頭に監督デビュー。『かごの中の子供たち』などの秀作を発表し、『白い婚礼』では現ジョニー・デップ夫人である女優ヴァネッサ・パラディを発見。『ひめごと』は、サドやコクトーを思わせ、パゾリーニ、オオシマの後継とも呼ばれる、妄想と欲望の巨人ブリソーの集大成である。
STORY
パリのクラブで働くサンドリーヌは、男たちの欲望を煽動するヌードダンサーのナタリーに憧れの感情を抱く。オーナーとのトラブルで店を放り出された彼女は、ナタリーの部屋に転がり込んだ。ナタリーは、これまでの男性経験のなかで真のエクスタシーを知らないサンドリーヌに、快楽とSEXが人生においていかに強力な武器をなるかを教えた。快楽とSEXは男たちのためではない。自分自身のために使うのだと。メトロの駅で下着をとって男の注意を引いたり、ナタリーに見られながらの自慰行為でエクスタシーを感じたり、サンドリーヌはしだいに性のタブーを超えていく。そして、ふたりはその若く美しいからだを使い、成功への階段を駆け上がるプランを立てる。一流企業に潜り込み、社長の誠実な右腕で実力者のドラクロワをターゲットにする。ある日サンドリーヌは、オフィスで妖しい魅力を放つ男クリストフを見かける。彼は社長の御曹子。だが、次々に女性を捨てていくプレイボーイだ。サンドリーヌは彼を陥落する計画を実行して、まんまと秘書におさまる。そしてある夜、人気のないオフィスで、自慰行為をする姿をわざとドラクロワに見せ、彼と肉体関係を結ぶ。これを機に、ドラクロワは何も知らず、愛欲に溺れていった。しかし、ナタリーは自らにも禁じていたはずの恋に落ち、苦しんでいたのだ。会社を休んだサンドリーヌを心配して、彼女がナタリーと暮らすアパルトマンを訪ねたドラクロワが目にしたものは、全裸で互いを愛撫し快楽に身をゆだねるふたりの姿だった。ショックを受けるドラクロワだったが、それでもサンドリーヌを失いたくないと願い、ふたりにますます翻弄されていく。
CASTING
●コラリー・ルヴェル(ナタリー) 大胆でかつ複雑な女性心理を見事に演じたコラリーは、ブリソー監督の前作「Les Savates du bon Dieu」で重要な役を演じ、今回の主演を獲得した。 ●サブリナ・セヴク(サンドリーヌ) 1982年生まれ。父はルーマニア出身の文章家で、政治的亡命者としてパリにやってきた。母は、フランス語教師。学生時代にマダガスカルへ赴き、「アニメーション、演劇の上演、人形芝居、影絵芝居」の活動をするボランティアの経験もある。現在も、現代文学の修士課程に通う大学生業と女優業を両立している。本作の前にはオードレイ・トトゥ主演の「愛してる、愛してない...」に端役で出演。 ●監督・脚本:ジャン・クロード・ブリゾー 1944年7月17日生まれ。パリ出身。高校当時から映画監督になる夢を抱くが、経済的理由から、パリ郊外にある学校で教職につく。30歳の時、2本の劇映画を映画祭へ出品。エリック・ロメール監督が映画を高く評価し、ブリソーを見い出す。1982年『野蛮な遊戯』で長篇監督デビュー。第2作の『かごの中の子供たち』は、カンヌ映画祭に出品され、「フランス映画の展望」賞を受賞。「トリュフォーの再来」と賞賛され、国際的に大きく注目された。
映倫
30
配給会社
ロングライド

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