ファイナルファンタジー

(C)2001 FFFP
見事だ。 スーパーリアリスティックCGによる映像は、もはやアニメなどという使い古された言葉の範囲を大きく踏み越えて、まったく新しい映像表現の世界を実現させた。 実写とどこが違うのだといわれても答えに窮するほどのリアリティにあふれている。むしろ、生身の肉体の持つ、生理的・物理的制約が無い分、より自由に、製作者の意図通りの演技が可能だ。しかも、その透明感にあふれたクリアな画面は、あまりに美しい。ただただ驚嘆の時だけが流れてゆく。 各種の批評の中にはストーリーが、分かりにくいだの、お粗末だのという人もいるが、もともとこれは、作者である坂口の、イマジネーションの世界であり、幻想であり、一人よがりの産物であって、より多くの人とコミュニケートしていこうという殊勝な意識など最初から存在さえしていない、という根本を理解していない。それらを分かった上で、作者と夢を共有する気になれば、たとえば主人公のアキと、あるいはグレイと、実にスリリングなポジションに同化出来るはずだ。 まちがいなく映画は、この作品において一つの大きなエポックを記録した。 最大級の賛辞を捧げたい。
公開日
2001年9月15日(土)
監督
坂口博信
脚本
アル・ライナート ジェフ・ヴィンター 坂口博信 坂口博信
音楽
エリオット・ゴールデンサール
声優
ミン・ナ アレック・ボールドウィン ジェームズ・ウッズ
製作年
2001
製作国
米=日
原題
FINAL FANTASY: THE SPIRITS WITHIN
上映時間
106
配給会社
20世紀フォックス映画

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