東京夜曲

妻の久子や家族を置いて家を出ていった浜中が、東京の上宿商店街に舞い戻った。久子はなじることもなく優しく迎え入れた。久子に密かに想いを寄せていた朝倉は、そんな浜中が許せず過去を調べ始めた。そして、喫茶店オーナーのたみと浜中が昔付き合っていたことを知る。2人は当然結婚すると思われていたが…。慕情を募らせる朝倉、浜中の出現に心揺さぶられるたみ、何も言わず彼を迎え入れる久子。多くを語ろうとはしない浜中。四者四様の切ない想いが商店街の人々の穏やかな心を揺り動かしていく。