真珠の耳飾りの少女

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17歳のグリートは、画家ヨハネス・フェルメールの家へ奉公に出されることになった。アトリエの掃除を命じられたグリートは、そこに置かれた完成間近い絵の美しさに強くひきつけられる。ある日、フェルメール家では、パトロンのファン・ライフェンを招いて盛大な晩餐会が催されることになった。その場でファン・ライフェンの注文を取ろうと必死だったが、当のフェルメールは、「次に何を描くか決めていない」と言い、妻と義母を大きく失望させる。しかし、それからほどなくしてフェルメールは新作を描き始める。きっかけを与えたのは、グリートだった。彼女がアトリエの窓を掃除したことによって生まれた微妙な光。その色の変化が、フェルメールを創作に駆り立てたのだ。やがて、グリートが優れた色彩感覚の持ち主であることに気づいたフェルメールは、アトリエのロフトで絵の具を調合する仕事を手伝わせるようになる。グリートはアトリエのロフトで寝起きをし、家事労働の合間のわずかな自由時間を、絵の具の調合に費やすようになっていた。そして、ふたりの関係は、芸術上のパートナーと呼べるものになっていった。ファン・ライフェンは、晩餐の席で、グリートをモデルに加えた集団肖像画を描いてはどうかと、フェルメールを挑発する。それは、たちまち町の噂になった。以前、ファン・ライフェンは、フェルメール家に雇われたばかりの使用人をモデルにした絵を発注し、その後で使用人を手込めにしたことがあったからだ。その話を聞かされていたグリートは、不安のまっただ中に立たされる。そんな彼女に、「注文された集団肖像画とは別に、君を描く」とフェルメールは言うのだった。

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